■７番人気・５着■　高配当演出まで後一歩の５着に終わってしまったが、幼さを見せながらも差を詰めており次走でさらに上の着順を狙える１頭として取り上げる。デビュー戦の前走は東京遠征ながら追い切りでの好時計が評価され３番人気に推された。10頭立ての９番枠からスタートで寄れてしまい最後方からの追走となり、高速上りの中ジワジワと差を詰め、まだ幼い面を残しながらもポテンシャルの高さは感じられた。今回は当日輸送の中京コース参戦で相変わらずの好調教も相まって上積みに期待されたが、14頭立ての大外枠と再度枠順に恵まれない戦いとなる。外に馬が居ない事もあってデビュー戦同様にスタート直後外に寄れてしまうも、ある程度気合を付けながら馬群の後方に取り付いたが。１コーナーで内に居た馬が外に出した影響で、ブレーキを踏みながら外に振られる不利もあってスムーズさを欠いていた。向こう正面に入るとピッチは緩み後方馬群の外々で厳しい位置取りながらも手応え良く十分な追走力を発揮していた。残り800ｍからピッチが上がり先行集団が有利に運ぶなか、大外を回りながらスパートを開始し直線に向いた。ラスト３Ｆを12.0-11.2-11.2秒と先行していた２頭が後続を離してしまったが、唯一外から脚を伸ばし３着馬とは0.4秒差まで追い上げている。スタート直後の不利から外々を追走しピッチが上がった勝負所で外々を回されながらもゴール前まで走り切っており、未勝利を脱出できる力は十分に示した内容である。枠順に恵まれスタートで寄れる点が少しでも改善されれば上位進出が可能な脚力を秘めている馬である。再度人気薄が予測されることもあり次走で高配当の演出に期待してみたい。

■３番人気・２着■　ＧⅠ馬ダノンプレミアムを兄に持つコントレイル産駒が、緩さが残るなか高いポテンシャルを発揮し２着に好走した。10頭立てながら中距離メイクデビュー戦に好素材が揃いレベルの高い一戦。好調教馬が多く混戦が予測されたが中内田調教師×川田騎手コンビのダノンカレラが断然人気に推され、ドンテスタマスターもウッドコースで外目を回りながら好時計をマークし３番人気に推され好勝負が期待されていた。2000ｍのメイクデビュー戦らしい折り合い重視の走りで、２Ｆ目から13秒台が４Ｆも続く超スローペース。序盤は４番手外を追走しながら坂井瑠騎手は何とか折り合いを付けたが、徐々に前進気勢を失って向こう正面からやや促されての追走となってしまう。折り合い欠き気味に逃げていた勝ち馬が３コーナー過ぎからピッチを上げ、４コーナーでは手応え楽な前２頭と後方から追い上げてきたダノンカレラとの比較で手応えは圧倒的に劣勢で苦戦の様相に。直線の追い比べでも外から被され気味となり、前の馬の後ろに入ってしまうシーンもあったが、残り200ｍで外の馬を弾き飛ばす形で進路を確保し、ゴール前でグイッと２頭の間からひと伸びして２着争いを制した。楽逃げからラスト11.1-11.1秒と折り合いを欠きながら後続を寄せ付けなかったエルハーベンと大外を追い上げたダノンカレラも評価できるが、瞬時の加速力で劣り直線でも厳しい場面を克服して好走と将来性を含めて互角の評価ができる初陣であった。瞬時の加速力で劣ってはいたが、まだ緩さが残っていた点とレースを経験した事で改善されるだろう。次走は人気に推されるのは確実であるが、確勝級の評価が当然で逆らえない存在だ。

■８番人気・２着■　フルゲートの1200ｍメイクデビュー戦。メンバーレベルは微妙であったが先行決着のなか素晴らしい末脚で猛追し２着に好走している。短距離戦ながら追い切りで好時計をマークしている馬が少なく、難解な一戦となったがスピードを活かした１・３着馬に割って入る強襲でインパクトある走りを披露した。デビュー前の追い切りは本数が少なく強い負荷も不足気味ではあったが、ラスト２Ｆを馬なりで好時計マークとキレのある動きを見せていた。陣営の評価も前進気勢が強く短距離でスピードを活かしたいと期待されていたが、兄姉に勝利実績がない地味な血統であり８番人気の低評価となっていた。６番枠からのスタートで先手を奪う雰囲気が感じられたが、スタートで思わぬ出遅れを喫し、二の脚でリカバリーはしたものの後方12番手の内を追走する厳しい序盤となってしまう。しかし手応えには余裕があり馬群がバラけだした３コーナー手前から馬群を縫って徐々に馬順を上げ、４コーナーでは馬群の中から上手く外に出し進路を確保しスパートを開始するも、前２頭が後続を引き離しており直線に向いた時点で８馬身程の差を付けられていた。1200ｍ戦ながらラスト11.6-11.5-11.5秒と失速しないラップで前２頭のマッチレースの様相も、残り200ｍから一気の伸び脚で猛追し際立つ脚色で３着馬を捕え、勝ち馬にも0.2秒差まで詰めていた。上り３Ｆは次位に差を付ける33.7秒をマークしており、勝ち馬以上にレース振りが光った一戦となった。スタートは後手を踏んでしまったが道中の立ち回りや直線でのキレはセンスを感じさせ、次走も同舞台なら相手次第で初勝利を飾る可能性は十分にある。